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車種ごとに異なるプレミアムオーディオの世界

プレミアムオーディオは、車種で“性格”が変わる

カーオーディオにこだわるなら、「あとからスピーカーを変えればいい」と考える人も多いかもしれません。でも最近では、車種に合わせて最初から専用設計された“プレミアムオーディオ”が増えてきました。

メルセデス・ベンツの「ブルメスター」、アウディの「バング&オルフセン」、BMWの「バウワース&ウィルキンス」、レクサスの「マークレビンソン」など、一流オーディオブランドと共同開発されたシステムが、モデルごとに搭載されています。どれも名前だけで音好きの心をくすぐりますが、面白いのは“車種によって音の鳴り方が違う”という点です。

例えば、同じブルメスターでも、CクラスとSクラスではスピーカー数や配置が異なりますし、同じ音源を再生しても印象がまったく変わります。車内の広さや素材、スピーカーの配置に合わせて音のチューニングが細かく調整されているため、「音響設計込みで車が完成している」と言っても過言ではありません。

ブランド別に“得意な音”がある

プレミアムオーディオは、どれも高音質であることは間違いありませんが、ブランドごとに音のキャラクターに違いがあります。例えばブルメスターは、重厚で包み込まれるような空間の広がりが特徴。メルセデスの重厚な乗り味にぴったり合うよう、どっしりとした低音と柔らかな中高域が魅力です。

一方で、バング&オルフセンは、音の定位や分離感がとてもクリア。アウディらしいシャープなデザインと同じく、音もシャキッとしていて、細かい音の輪郭までしっかり聴かせてくれます。エレクトロニカやジャズとの相性が良く、前方から広がる音場の立体感が印象的です。

ボルボやBMWに搭載されるバウワース&ウィルキンスは、自然な音の再現力が魅力。あえて“作り込まない”素直な音づくりは、ライブ音源やクラシックなど、素材の良さをじっくり楽しみたいときに向いています。

それぞれの車種で音の方向性が調整されているため、単に“どのブランドが一番いい”ではなく、“どんな音で聴きたいか”をイメージして選ぶと、満足度がぐっと高まります。

ドライブそのものが“リスニング体験”になる

運転中の音楽が、ただのBGMから“聴く時間”に変わる。それがプレミアムオーディオを通して得られる一番の変化かもしれません。

例えば、ブルメスター搭載車で映画音楽やオーケストラを流すと、低音が床から押し寄せてくるように響き、弦のきらめきが空間に浮かび上がります。バング&オルフセンでは、定位の良さからボーカルが目の前に現れたように感じられ、クルマの中とは思えないリアルな音像が体験できます。

さらに、これらのシステムは、音を派手に見せるだけでなく、耳が疲れにくいという設計も共通しています。高音域が鋭すぎず、音圧も滑らかにコントロールされていて、長距離のドライブでも“音を聴き疲れない”というのは大きな利点です。

車内という限られた空間で、ここまで豊かな音が体感できる時代。クルマ選びの基準に「どんな音で音楽が聴けるか」を加える人が増えているのも納得です。

もし次にクルマを選ぶとき、試乗時にぜひ「好きな曲を1曲再生してみる」ことをおすすめします。スペック表ではわからない、“そのクルマだけの音”に出会えるかもしれません。